「独占」
明かりもつけられていない暗がりの部屋に、人の声と低い電子音が響いていた。
断続的に発せられる、それは---喘ぎ。
と、低く振動する小さなモーター音。
「あ・・・・・っ。
あぁ・・・・・あぁぁぁっ」
咽び泣く声。
苦しげに詰まる声に、部屋のもう一人の住人である玲二が少々陰のある目付きでみやってくる。
視線の先には、肘掛付きのイスに縫い止められるように縛り付けられたエレンが座っていた。
「はん。
もう少し静かにしてくれよ、エレン。
五月蝿くて本を読むのに集中できないじゃないか」
冷たい感じで鼻で笑う。彼の眼が奇妙に細められた。
エレンには、彼の言葉を反論する気力もないようだ。
必死になって酸素を求め、吐き出し、また声を荒げるだけで。
後ろ手に縛られ、両足はそれぞれ肘掛に大きく広げられた上体で縛られ、まともに身動きする事も出来ない。
前が肌蹴たサマードレス。ブラは隠すべきものを隠さずに胸の上にたくし上げられている。
唯一残るショーツだけが秘めた場所を守る最後の砦として残っているが、どれほど役に立っているのか。
エレンの喘ぎに混じるモーター音は薄蒼のショーツの中から聞こえていた。
隙間からはコードが伸び、肘掛に固定される右足の太ももにバンドにはさまれている。
可愛らしいブルーの下着は彼女の流す蜜でじっとりと色濃く染まり、
華奢な身体を振るわせるたびに濃度が確実に増していた。
「あくぅ・・・・・
ああっ・・あふっ」
こちらを観察でもするようにして視線を投げる玲二に、エレンは涙目で訴えた。
声は言葉としては形にならず、単に意味をなさない喘ぎしか洩れない。
駄々をこねる子供のように頭を左右に振ってイヤイヤとするだけ。
今も体内で蠢き、細かく振動する卵形の玩具からの刺激に、思考と呼べるものを完全に叩き潰されているのだった。
一体、どれほどの時間こうしているのか。
それすらも意識は朦朧とし、記憶に定かではなくなっている。
彼女がイスに縛り付けられ、痴態を彼の眼に晒してからたっぷりと1時間は楽に経過していた。
どうしてこうなってしまったのか、理由も今や覚えてない。
ただ・・・確か、今夜求められ、それを断り、玲二の目が恐くなった・・・
気が付けば、イスの上に縛られ、攻め立てられていた。
靄の立ち込める思考でぼんやりとそれだけを記憶していた。
それから玲二からの刺激は無い。ただ低い振動を伝える玩具が彼女を狂わせるだけ。
何度意識が飛んでしまったも解らなかった。脳裏にフラッシュが瞬き、
頭の中が真白になっても機械は無慈悲に彼女を現実に引き戻す。
決して激しくはない刺激。だけど、衰えを知らず、休む事もなく、胎内で蠢き続ける。
これは・・・殆ど拷問だ。
数え切れないほど頂点に無理矢理押し上げられながら、意識を手放す事も許してもらえず、
強制的に与えられる快感に喘ぎ続ける。
身動きできない状況で、なんとか身を捩って逃げ出そうとしても、
それは結局、中で擦り付けられる角度を自分から変えるだけの行為で更に押し上げられる。
じっと動かずに耐えてみれば、中で小刻みに震えている感覚を敏感に感じさせられてしまう。
玩具に奔走させられる。こんな姿、本当は彼に見られたくなかった。玲二以外のモノに自分が感じてるところなんて・・・
だけど、心とは裏腹に、彼に開発された身体は与えられる刺激に対し敏感過ぎるほど過敏に反応してしまう。
それに・・・・彼の眼。その視線が何よりも媚薬となって脳髄を溶かす。
押し殺せない声を、噛み殺せない声を、喉の奥から絞り出すようにして鳴く姿。
両足を大きく広げられ、両手も縛られ、秘所を隠す事も出来ずに喘ぐ姿。
たった一枚だけ残る最後の砦は自らの分泌する蜜で彼の視線を遮る役には立たず、
じっとりと濡れそぼり、張り付いて、柔肉を透けさせる。
清楚なライトブルーのショーツは、今や例えようも無い淫猥さを際立たせているだけだった。
それでも、まだ、殆ど無意識の内の彼の遠慮の無い視線から逃れようと腰を動かすので、
肉壁がヌルヌルと擦り付けられ悲鳴を上げる。
この繰り返しだった。
「ふぁ・・・! あぁっく!!
やっ! また・・・・またぁっ・・・・やらぁぁっ!!」
甲高く鳴いて、エレンの肢体がビクンビクンと大きく波打った。
コードが挟まるショーツの隙間から新しく流れ出た濃い液体が「トロリ」と零れた。
何十回目かの絶頂に押し上げられたようだ。
わなないていた全身が僅かに落ち着きを取り戻すのを見計らい、玲二は重い腰を上げた。
「またイったの?
イヤらしいね、エレンは。玩具でイけるんだから」
ククっと冷たささえ感じさせる笑みを漏らす玲二。
羞恥に染まり、涙に濡れ、口端からはしたなく唾液を流したままエレンは懇願する。
「とって・・・・とってぇ。
オネガイ・・・・れ、れいじ、おねがいっ」
「ん?
何をとって欲しいの、エレンは?
ちゃんと言ってくれないと解らないよ」
エレンの眼前に顔を突き出し、あくまで玲二は意地悪く聞き返してきた。
エレンは呼吸を詰まらせ、鮮やかなほどの赤に染まる顔をより紅くさせ、眼を伏せた。
彼女の睫毛が儚げに震えている。淫らがましいほどに唾液で朱色に輝く唇から切ない呼吸が微かに聞こえてくる。
汗で、濡れた肌。強制される絶頂を何度も何度も味わい、きめ細かな肌は熟した果実のように染まっている。
控えめな乳房の頂点が尖る情景。薄地のショーツでは吸いきれない蜜がイスの腰掛部分に小さな泉となって広がり、
更にはポタポタと床に落ちていく。
ライトブルーの下着がこれ以上ないほどに湿っている。
柔らかな丘の部分が盛り上がり、規則的にブルブルと細かく震え彼女の胎内を擦り付ける様子を伝えていた。
まるで、水の滴る新鮮な果実・・・
視線を固定させる玲二の喉がゴクリと鳴る。
今すぐその下着を剥ぎ取って、襞を大きく広げさせ最奥まで舌を突き入れ味わいつくしたい。
指を捻じ込み、熱く濡れそぼっている泉を掻き回したい。
乱暴に。それこそ、無茶苦茶になるまで。そんな衝動に駆られる。
凶暴なほど内心を焦がす欲望を押さえ付け、玲二は無理矢理にでも平静さを保たせていた。
まだ・・・・まだだ。
もっとエレンが乱れる姿が見たい。
もっとエレンが狂う姿が見たい。
泣かせて、鳴かせて、気が狂うほどの快感を・・・与えたい。
原初的な雄の欲望の更に奥から、精神の声が響く。
「・・・・って」
自制を最大限に動員させている玲二の耳に、か細い声が入り込み、意識を立ち戻らせた。
視線を動かすと、眉を寄せ、波打つ刺激に耐えるエレンが艶かしい唇を開かせている。
荒い呼吸に混じり、本当に小さく、細い言葉が切れ切れに紡ぎ出される。
「とって・・・・
わ、わたしの・・・・・んふっ! おなかの・・なかの・・・もの・・・・
とっ・・・・あぅ・・・・ん・・・・・・ぅ・・・・・て・ぇ・・・・・・・・・
おね・・・がい・・・・・れ、れ・・・・れいじぃ・・・・・・」
苦しそうに何とか言い終える。
羞恥と快感に板ばさみにされながらの懇願。
ゾクゾクとした感情が玲二の背筋を駆け上がる。
「何言ってるんだよ、エレン。
かなり良さそうじゃないか。
ココもココもこんなにしてさ」
玲二の両手がそれぞれ固くなった乳首と、淫液をたっぷり吸い込んだショーツの上を捉えた。
抓上げるように摘み、また、挟み込んでしこり上げ、爪先で弾いて甚振りあげる。ひねりを加えた挙句に乱暴に捻り上げた。
グジュグジュと濡れそぼるショーツの上から秘裂の中に捻入れ、振動するローターを更に奥へと進ませる。
布一枚隔てて粘液に塗れた襞を強く擦り上げ、襞と襞の間に溜まる蜜を掻き出すように穿った。
指先の腹に感じるツブツブした部分を見つけると、そこを重点的に責め上げた。
押し潰すように押し込み、引っ掻き、更に指を回転させる。
肉壁が中で捻れるのが薄い布地越しにでも感じる事が出来た。
「かはっ!
やだぁ! やだぁっ!!
よじれちゃう! お腹がよじれちゃう!
やぁ!! やだぁぁ!!
ブルブルが奥まできちゃうっ!!
はぁぁ!! はぁぁぁっん!!
またへんにぃ。へんになっちゃうぅ!!
あっ、あぁぁあぁーーっ!!!」
紅涙を溜め込んだ瞳が大きく見開かれ、唇が悲鳴の形で開け放たれた。
筋肉が痙攣を起こし、膣内を乱暴に探る玲二の指を痛いほど締め付けてきた。
立て続けに連続して絶頂を見せられた身体は、たったこれだけの事で達してしまう。
エレンの反応に玲二は気を良くして口端を吊り上げ笑った。
「おやおや・・・・またイっちゃったのかい?
エレンのココはホントイヤらしいね。
熱くて・・・・溶けそうだ。
それにスゴク濡れてる。蜜壷の中に指を沈めたみたいだよ。
縛られてるのに・・・・玩具なんかで感じて・・・・悪い子だ・・・・
こんなに俺の指を咥え込んで締め付けてきて・・・・まだ物足りないのかい、エレン?
クク・・・・まだ中がピクピク動いてるの解るよ」
耳朶に吹き掛けられる低い声。
快感に陵辱された心の中に残る羞恥心を思い出させる言葉。
突き入れられた二本の指を根元まで咥え込む彼女のクレヴァスがキュンっと締まった。
ここまで責められても可愛らしい反応を示すエレンの身体には征服感が掻き立てられる。
と、イスに固定されるエレンが窮屈そうに身体を折り曲げ、顔を玲二の胸に寄せてきた。
上目遣いに覗き込む仕草は今の彼女の表情でされると媚を売っているようにさえ思え、煽られる。
呼吸を整え、何かを喋ろうとしているのが解ったので、
彼女の太もものバンドに挟まれるリモコンでローターの振動を弱くしてやった。
「もう・・・・ゆるして・・・・・
これいじょうは、しんじゃうよ・・ぉ・・・・・」
「ふんっ。こんなに濡らしてるのに良く言う。
ほら、見ろよ。糸引いてるぜ」
エレンの媚肉を掻き回していた指を引き抜いて、顔に突きつける。
白濁したものが混じる粘液は薄暗いライトに妖しく煌き、彼の指先にベットリと張り付いている。
揃えられた二本の指が広げられると、ニチャリと音が聞こえてきそうなほど粘っこい糸が垂れた。
途端に、カァっと顔が火照るのをエレンは感じていた。
「いやぁ!」
耐えられなくなって顔を背ける。
が、伸ばされた玲二の手で引き戻されてしまう。
怯えにも似た色を塗した瞳で見上げれば、見た事も無い笑顔の玲二。
細められた眼差しは何処か捕食獣の凶暴さを漂わせ、口元にうっすらと浮かぶ微笑は微かに冷たい。
無意識に雄が吐き出す欲望を感じ取り、エレンの身体は強張っていた。
「エレンのイヤらしい汁が絡み付いて俺の指を汚してるんだ。ホラ、舐めて綺麗にしてくれよ?」
唇に触れるほど近くに突きつけられる淫液塗れの指先。
顎で行為を促す玲二を見上げ、エレンは恐々と訪ねた。
「・・・キレイにしたら、もう許してくれる・・・・・・・・?」
「ああ。
エレンのイヤらしいほどグジュグジュに濡れそぼって汁を溜め込んでる蜜壷に入ってるローター抜いてあげるよ」
あくまでもエレンの羞恥心を煽り立てる玲二の口調。
しかし、反論する気力も抵抗する体力もなければ、彼に反抗する気構えさえ今のエレンは持っていなかった。
少しばかり長くなった髪に隠された耳朶も真赤に染まり少女の恥じらいを如実に物語る。
だが、唇は彼に言われたとおり指先に近づき、おずおずと自分の蜜を絡みつかせる二本に指に触れた。
微かな躊躇いがもう一度彼を見上げさせたが表情に浮かぶ冷たい微笑に諦め、軽く蜜を吸う。
口腔に酸味が広がる。自分自身が分泌した愛液。それを自分で啜っている。彼の目の前で。
背徳感が燻る羞恥心を炊き付け、恥じらいから神経は過敏になる。
せめて彼を視界から排しても密を啜る自分に注がれる視線の気配を感じてしまう。
今、演じている卑しい痴態を直視され、
まだ胎内で微弱ながらその活動を止めないローターが繰り出す刺激に全身の神経を奏でられた。
「ん・・・んっ・・・・・んぅ・・・・
んく・・・・・・んん・・・・・・・・・・」
「なんだ、自分の愛液舐めてまた感じてきたのか?」
ビクリとエレンの肩が震える。
新しい蜜を溢れさせ、新しい染みをショーツに広げさせる様を見られてしまった。気付かれてしまった。
恥ずかしい。恥ずかしい。恥ずかしい。恥ずかしい。
それだけが心を占拠していく。
自分はそんなにイヤらしい女じゃない。
そう言いたかったかもしれないが、言葉は出ず、
代わりに彼の言葉による攻めから逃れる為、一層丹念に彼の指に奉仕する。
「んん・・・・・ふっ・・・・・・・・・んふ・・・・・
ぅぅ・・・・・・・・・・・・・んぅ・・・・・」
目に止まる蜜を全て吸い上げると、今度は突き出された二本の指を咥え込んで舌を絡ませる。
取り込んだ愛液を唾液と一緒に嚥下して飲み下す。
その後また丁寧に丁寧に舌を絡み付けせて玲二の指をキレイにしていく作業。
彼女の様子を逐一漏らさず、満足げに、そして愛しげに玲二は見つめていた。
暫くの間、チュパ・・・とした水音のみが室内に響いていた。
「んっ・・・・」
ようやくして絡み付いていた愛液を全て舐め取り、エレンは唇を離す。
唾液と蜜がブレンドしたものが、唇と指の間に銀の橋を掛け、刹那、プツリと途切れていった。
切ない吐息混じりに呼吸するエレンの頭を玲二は優しく撫で上げる。ご褒美なのだろう。
「良く頑張ったね。うん、綺麗になった。
じゃ、今抜いてあげるよ・・・・」
はしたなく広げられた足の付け根を目指し、両手が伸びる。次に顔を近づける。
間近で秘部を観察してみるとショーツに染み込む蜜の多さが今更ながら確認できた。
濃厚な雌の匂いが鼻腔を強烈に擽ってくる。中で玩具が動く電子音もはっきり聞こえてきた。
水に浸したような状態のショーツは完全に柔肉に張り付きクレヴァスの微妙な伸縮までも玲二に見せる。
「ほんと、スゴイよ・・・・
まるで漏らしたみたいだ、エレン・・・・」
何処か感心したような彼の言葉。
小さい抵抗の言葉を発し、エレンの両足は反射的に閉まろうとするが縛られていて無理だ。
それを見越して薄ら笑む玲二をエレンは泣き濡らす瞳を切なく伏せ、視線を逸らしながらも視界の端で見ていた。
「み、みてないで・・・・はやく・・・・・」
「解ってる。そう急かすなよ」
ショーツの中まで潜り込んでいるコードを摘み、クイッと少しだけ引っ張る。
頭上からエレンの顰めた呼吸が降ってきた。同時に不自由な腰が僅かに引いた。
一気に引き抜いてエレンを開放する真似はせず敢えてゆっくりと少しずつコードを引っ張っていく。
モーター音が近づくたびエレンは小さな喘ぎを漏らした。
これまで散々攻められ続けて口は閉じる事を知らずに可愛い泣き声で玲二を楽しませる。
「あっ・・・・・あっ・・・・・・ん・・・・・・・あ・・・・
はぁっ・・・・・・んぅ・・・・・・・・あく・・・・・・・・」
絶え絶えにとろけた吐息を吐き出していたエレンだが、不意に身動ぎした。
ゆっくりとだが確実に引き抜かれていたはずの玩具が止まったままとなっている。
「え・・・なん・・・・きゃうっ」
訝しがるエレンの問いを玲二はローターの振動を大きくする事で封じた。
素直に引き抜く気など最初からなかったらしい。
愛液で張り付くショーツがクレヴァスから少し顔を出すローターを覗かせる。
プルプルと震える様子も、ローターの動きに合わせてひくつく丘も、
溢れ出る蜜がショーツに染み込まれ、吸いきれなずに股を零れていく光景もありありと見える。
開かれた両足の内側に手を置き、玲二はその淫猥な情景をシゲシゲと魅入っていた。
「自分の入り口で震えてるの・・・見えるだろ、エレン。
スゴイやらしいよ。玩具咥え込んで愛液垂れ流してるの、よく見える・・・」
「や・・・だっ・・・・こん・・な・・・こんな・・・の・・・・
んっ・・・・・ぅ・・・・と・・って・・みてない・・で・・・・はや・く・・ぅ」
下から覗きこむように語り掛ける玲二の言葉に必死に耐えながら応じるエレン。
だが、玲二は悪童そのものの笑みでクスリと笑い、クレヴァスから半分突き出たローターを指先で弾く。
「きゃふ!!」
背中を軽く仰け反らせて敏感に反応した。
そのまま立て続けに引き戻したローターをもう一度胎内に押し戻す。
指一本で一気に押し込まれると同時に出力は最高になり、今までに無い強烈な刺激がエレンの全身の神経を貫く。
「あっ! ああぁ!! あぁぁぁああぁぁあ!!」
涙を溜め込む瞳が大きく見開かれ、唇は絶叫の形で開かれた。
甲高い叫びを上げながら、彼女の身体は波打つように何度も大きく跳ね上がった。
達したのが解り、玲二は微笑を浮かべたまま絶頂の余韻に浸らせる事なくローターを引き抜く。
「ふぁん!!!!」
仰け反っていた上半身が急に屈んだ。
奥まで押し込まれていた物をいきなり引きずり出された痛みにも似た感覚に。
粘液質な音と共に引き抜いたローターは多量の蜜でベットリと濡れていた。
泡を浮かせる白く濃い液体。エレンが押し上げられた絶頂の多さを物語る。
荒い呼吸を繰り返すエレンの目の前で、玲二はローターから床に零れる愛液を一掬いして舐めた。
それを見つめながら、だが、エレンの瞳は薄霧がかかったように何処かぼんやりとしている。
呼吸を整えるのに精一杯な彼女を尻目に踵を返すと、ローターをテーブルの上に置いて代わりに果物ナイフを握る。
短い刃先を掌で弄びながら、玲二はまたイスに固定されたエレンの足の付け根に陣取った。
「全く・・・こんなに濡らして・・・悪い子だ」
太股を通り、股の付け根を滑るナイフ。
ぼやけた視界のエレンの目が急に現実に戻ってきた。
「いや!玲二、恐い!」
完全に脅えた瞳を浮かばせるエレンは自分の肌の上を滑る冷たい金属の感触に小動物のように震え上がる。
薄い笑みを浮かべたまま玲二は刃を踊らせ、ショーツの片側に切込みを入れた。
スッと手首を翻し、布地とゴムを切り裂く。刃先で彼女の秘所を隠す布地を押し退ける。
「クク・・・
本気で漏らしたみたいじゃないかよ。なぁ、エレン?」
露になった秘泉。蜜を湛え、溢れさせ、滴り、垂れ流れる。
クレヴァスは今も淫らにひくつき、ニチャリと音が聞こえそうなほど糸を引かせている。
滑り落ちる流れがそこだけでなく更に下の場所もじっとりと濡らしていた。
今、エレンが強いられている格好では遠慮の無い玲二の視線からお尻の部分を隠す事は無理だった。
「いやぁ・・・いやぁ・・・・
指をキレイにしたら、許してくれるっていったのに・・・・」
「抜いてあげるって言っただけだよ、俺は」
懇願する涙声に突き放すかのような冷酷な玲二の言葉。
羞恥に耐え、怯え、すすり泣く事しかエレンはできずにいた。
露呈されたクレヴァスに指を沿え、左右に寛げる。糸が引いた。中に溜まっていた蜜がまた零れた。
赤く熟した果実が切なく蠕動している。襞の一枚一枚がぬめり、玲二を誘っているように見えた。
更に大きく開く。短いが鋭いが頭上から降ってきた。微笑を湛え玲二は中を覗き込む。
身体に緊張を走らせ、エレンはぎゅっと目を瞑った。
それでも感じてしまう彼の視線。奥まで見られている現実に身体は心とは反対の反応を示す。
熱い・・・・ただ見られているだけなのにお腹の奥がどうしようもないほど熱かった。
ちらつく炎を炙るように、時折、不規則に玲二の吐息が中に吹きかかり、小さく鳴いて身悶えさせた。
「次から次からトロトロ出てくる・・・
こんなに汚して。俺がキレイにしてやるよ」
指で押し広げる秘窟に舌を伸ばすとクレヴァスを舌先でチロチロ舐め上げた。
擽られるような微妙で繊細な快感がゾクリとエレンの脊髄を駆け上る。
「や・・・やめ・・・・やめ・・・て・・・・・
もう・・・からだつらいの・・・これいじょう・・・は・・・や・・・だっ・・・」
すすり泣くエレンの訴えを無視して玲二は舌を這わせ続けた。
ビラビラを一枚づつキレイに舐め取り、肉壁の間に絡み付く蜜を吸い取る。
耳を覆いたくなる蜜を啜る音がエレンにも聞こえたが、今、それに反応する余裕はなかった。
立て続けに絶頂に押し上げられる拷問で身体中が剥き出しの神経になったように鋭敏になって、
少しの愛撫で意識が飛びそうになる。
気持ちいいとかそんなものではない。そういったものを通り越して辛かった。
口全体で味わうように舌を使っていた玲二だったが、
啜っても啜っても湧き出る蜜の多さに苦笑を覚え、キレイにする事は諦めてしまった。
いや、元より彼に最初からエレンの秘唇をキレイにしようと言う意思など皆無だったろうが。
濡れそぼった秘唇の上にある陰芯に目をやる。
熱く充血した其処は半分かた皮が捲れて隠していたものを覗かせてしまっていた。
悪戯っぽく笑い、玲二はその蕾に吸い付いた。
「ひぎぃっ!?
ダメ! ダメ! ダメ! ダメ! ダメ! ダメェェェッ!!!」
激しい矯正を張り上げて全身を強張らせるエレン。
間髪をおかず、玲二は唇で陰芯を挟み込み、さらには歯を立て扱き上げる悪戯までやってのけた。
「あっ!!! あぁっ!!!
あぁぁっぁぁぁっぁっぁああぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
エレンが全身を慄かせた。両足の爪先をピンっと逸らし、グンッと背中が反り返りる
下腹に力が入って膣圧で秘液が跳ね散り、玲二の顔とイスを汚していった。
「かはっ・・・・・・・はっ・・・・はっ・・・・」
擦り切れた声で喘ぐように呼吸するエレン。
突き出された舌は玲二の口付けを待っているのか、酸素を求めての事か。
ビュクッビュクッと白く濁る愛液を迸る秘唇。
唾液と蜜で淫靡にもグチャグチャになった其処を見ていると、玲二の我慢は限界だった。
既に硬くなっていた分身を取り出すと、一気に腰を突き出した。
激しい律動で突き上げ、エレンの奥まで貫いた。
「くぁあああっ!!
れ、れいじぃ! ふぁあぁぁぁぁっ!!!」
「エレン! エレン!」
何度も突き上げながら、何度も彼女の名を呼ぶ玲二。
華奢な全身を掻き抱き、口付けを降らせ、エレンの頬を伝う涙を吸い上げる。
「離さない! 絶対に離さない!!
お前は俺だけのモノだ! エレン!
エレン、全部、俺だけのモノだ!」
「うん! うん! うん!
れい、じ! れいじ! れいじっ!」
熱に浮かされたように叫び、エレンもまたそれに応えた。
お腹の奥まで突き上げる玲二をエレンの柔肉はキツク締め上げた。
吸い付き、絡み付き、強く、キツク・・・・
何十回目かの玲二はエレンの最奥にまで貫き通した。
「くっ」と眉を寄せた直後、灼熱の濁流がエレンの中で解き放たれた。
ビクンビクンとしゃくりをあげ、玲二は何度も彼女の中に流し込む。
「ふぁぁっ、あっ、はっ、あぁ・・・・」
胎内を満たして行く玲二の濃いエキス。
それを受ける子宮が、溶かされてしまいそうだった。
最後の一滴まで子宮に届かせようと玲二がさらに腰を突き出したその瞬間、エレンも身体をブルブルッと慄かせた。
意識は真白に飛び、ただ、自分に凭れかかってくる玲二の重さと、耳を撫でる彼の呼吸だけが感じられた。
「・・・・俺だけのモノだよな、エレン?」
何処か捨てられるのを脅える子犬のように玲二が聞いてくる。
彼女が自分から離れてしまう日が来るのを恐れる瞳。
不安が、彼の表情を暗くしていた。
エレンからの答えを待たずに、或いは、その答えを封じるように、玲二が唇を求める。
何も言わず、エレンは貪り求めてくる玲二の舌に自分の舌を絡ませていた。
それが、彼が聞いてきた問い掛けに対する答えだと言うように・・・・・
夜は、まだ明けない・・・